神経伝達と細胞間コミュニケーション
生き物の体の中で細胞内また細胞同士は様々な形での情報伝達を行っています。神経伝達物質や電気信号がそれにあたります。例えば神経細胞は刺激を受けると膜電位が変化、それが軸索の末端まで広がって神経伝達物質の放出を誘導、次の神経細胞を興奮させる、といわれている。我々は膜電位変化の伝播や神経伝達物質から膜電位変化への情報変換といった生体内における情報伝達の仕組みを調査しています。その際に実細胞でなく、細胞膜と細胞内外の電解質溶液に着目し、膜のイオン透過に焦点を絞ったモデル細胞を用いることで物理化学的な解析を進めています。解析対象の現象に合わせてモデル細胞あるいは細胞集合体を構築し、細胞上および細胞間でのように電気信号が伝達するのか探っています。また、モデル細胞膜を用いることで、神経伝達物質による興奮のメカニズムを解き明かしています。
Keywords:モデル細胞,神経伝導,細胞間コミュニケーション,同期現象,
Severe Problems of the Voltage-Clamp Method in Concurrent Monitoring of Membrane Potentials
M. Kaji, Y. Yamada, Y. Kitazumi and O. Shirai
Electroanalysis, 34 1299 (2022)
DOI: 10.1002/elan.202100508
Electrical cell-to-cell communication using aggregates of model cells
I. Kasai, Y. Kitazumi, K. Kano, O. Shirai
Phys. Chem. Chem. Phys. 22 (2020) 21288-21296
DOI: 10.1039/C9CP06777A